2006年、8月15から9月5日まで、Ammbasmestasの巡礼宿(以下:アルベルゲ)にボランティアとして滞在しました。

「北の道」の巡礼を終えて、バスに乗ってSantiagoからAmbasmestasに向かいます。

2005年にできたアルベルゲは、巡礼者の有志によって運営されている私営のアルベルゲです。

ここから歩いて1kmくらいのところに村があります。
この場所は、ホテルとレストランがあり、地元の特産品などが売られています。
遠距離バスは、ここに停まります。

アルベルゲに到着し、まずは近所の小さな教会にご挨拶。

このアルベルゲは、ヤスミーナが中心になって運営しています。
ヤスミーナは航空会社にお勤めをしていましたが、一年休職を
してここにいます。 今は人出不足のため、彼女のお母さんが
カナリア諸島からやってきて、夏の間手伝っています。 また、
数日間だけパートナーのルイスが滞在していました。

このアルベルゲの収容人数は20人程度。 それ以上になると、
三階の部屋を解放しますが、こちらにはベッドがなく、マッ
トレスのみ。

この近所はアルベルゲの密集地帯なので、めったに一杯になる
ことはありませんでした。 お年寄りが巡礼グッズを売っている
村なので、歩いた人なら記憶に残るかもしれません。 実際私が
歩いた時も、この写真を写していました。

アルベルゲから見えた景色なのですが、山の上の方が燃えています。 山火事です。 ヤスミーナは電話で連絡。すでにヘリコプターが手配されていました。
アルベルゲの脇にはきれいな川があり、自然がいっぱいです。
ここはLas Medulos。 世界遺産になっています。 ローマ時代に金を産出した跡がこのような形で残っています。
ここから30kmほどの町に住むフェルナンドが遊びに来てくれて、今日はこのあたりの観光に連れて行ってくれます。 フェルナンドは「フランスの道」で出会った仲間の一人で、巡礼路の上に実家があります。
フェルナンド

共有部分の二階。 この建物は村の小学校だったそうで、その後
誰村の誰かが住んだのち、廃屋になったものを買い取り、内部
をすっかりきれいに蘇らせたのは、ヤスミーナでした。 部屋の
片隅に、それを物語る写真があります。

朝は巡礼者の人数によりますが、早朝数時間だけ二階の共有ス
ペースをオープンし、食材などを販売します。 果物とか、すぐ
に調理できるインスタントの食材、ヨーグルト、チーズ、ハム
類、カンヅメ、お菓子等などが並べられています。 巡礼者の数
が少ない時には休業です。

ここではお掃除も大切な仕事。 午前中は巡礼宿のお掃除です。
トイレ、シャワー室、ベッドを徹底的にお掃除。 ヤスミーナの
掃除のやり方はホテル並みでした。 午後は受付業務。ヤスミー
ナ、ヤスミーナママと三人で交代で行います。

アルベルゲでの仕事はたくさんありました。 ここはEstellaとは
システムが全く違います。

共有スペースは夜の9時まで開けていて、その後我々は夕食を
いただきます。 元々スペインの夕食時間は遅いのです。 基本は
別に食事なんですが、ほとんど一緒に食べていました。

ヤスミーナはなかなかの料理上手。

さあ、今日はパキやラウラ&ミッチェルたちがやってくる日です。 偶然にも、マリアもこの日にやってきます。 フェルナンドも忙しい中、かけつけてくれる予定です。

唯一つのレストランに全員集合!
2004年の「フランスの道」を歩いた仲間が私を入れて6人!今回はパキのボーイフレンドのホワンマンと、マリアの友達のマリア(別 人物)も一緒です。

 

パキとラウラ

地元のフェルナンドの案内で、二台の車で見学です。

今度はポンフェラーダに行きます。 なつかしい巡礼路のお城です。
今回は中に入ってみました。

パキたちはこれからログローニョのラウラ&ミッチェルの
家に行くために帰って行きました。 このあと、 Wマリア
とフェルナンドで、モリナセカまで来ました。 モリナセ
カも巡礼路の素敵な町でした。 結局夜遅くまでディナー
を食べ、お茶をしていました。。
ヤスミーナとルイス
近所の悪ガキたち。 親戚同士で夏の間だけ、ホリデーにやってきます。
彼は日本人の青年。昔ながらのスタイルが、ユニークでした。
少しおしゃべりして、先の宿まで行きました。
日本人大学生もやってきました。(実は甥です) 裏の川には
クレソンが自生していて、夕食のおかずにとっています。
巡礼宿にやってくるお客さん

そうそう、もう一つ仕事がありました。 ミネラル・ウォーター
を汲みに行く仕事。 これも交代で、水が少なくなったら行きます。
アルベルゲから歩いて4分。

のどかな風景を見ながら水を汲みに行きましょう おいしいブラック
ベリーの誘惑に勝てず、水を汲みに来たはずが・・・・・・
このベリーを使って、ヤスミーナがジャムを作ってくれました。

 

水汲み場に到着です。 ここまで車でやって来て、水を汲んでいく
人たちもいます。

バダホスからやってきた巡礼のおじさんです。 アルベルゲに彼が書いた本を寄贈してくれました。 すごくかわいい!おじさんでした。

さて、今日は村のパーティーです。
私もヤスミーナと一緒に参加します。

会場は公園で。 お肉を焼き始めました 半分以上の参加者は、
ホリデーの時期だけ滞在している人たちです。
無愛想な向かいに住んでいるおばさんも、話しかけてきまし
た。
普段はバルセロナに住んでいて、ここが実家。 息子さんが
日本語の勉強をしているとか。

ご馳走もたくさん。 焼き肉、チョリソー、サラダ、チーズ盛
り合わせ、パン、ケーキ・・・・・・・ワインたくさん!
ヤスミーナのママもやってきました。 彼女もちょっと変わり者。
ものすごい人見知りなんだそうです。 スペイン人にもそんな人が!?
なので、後からちょこっと顔を出して、すぐに帰って行きました。

北部スペインの人たちは、南部のいわゆるスペイン人のイメージ
ではなく、暗いんです。 ここには昔から住んでいる人たちが主
ですが、若い頃は都会に住み、定年を迎えて戻ってくる人も多い
そう。 また、代々仲が悪い家族などの関係もあって、フクザツ
なんです。 アルベルゲの向かい側に住む家族は、夏の間だけや っ
てきますが、挨拶をしません。ヤスミーナも首を傾げていました。
また、村をあげての会費制パーティーがあったのですが、全員参
加はしてくれません。 あの家族が行くなら、うちは行かない・・・
といった具合。 近所の顔見知りになったおじさんは、決してこの
種の集まりには参加しないのだとか・・・・・。
平和そうに見えるこの小さな村も、いろいろあるようです。

こちらは先の町とは反対方向。 集落はありますが、
お店はありません。 少し歩いてみましょう。
いつもここにいるお年寄り
今日は隣村(1.8km)のVega de Valcarceまでお買い物に。
Ambasmestasには小さなホテルとその中にあるレストラン
とバルがあるのみ。 一切のお店がないのです。

巡礼宿でのボランティアの約束は2週間でしたが、その後の来る人もいないので、
もう一週間延長して結局三週間ほどお世話になりました。

この村にも一応、バスが走っていますが、一日1〜2本。 どこへ行くにも車が
なければ生きていけません。 夏でも寒くなると、フリースが欲しいほど。
冬は水が凍るほど寒いそうです。

この村には何もない。 レストランはスペインいちマズイ!(この時はね!)し、
併設されているバルはスペイン一愛想がない。 そんな村でしたが、風さえも吹か
ないようなそんなド田舎で、不思議と退屈することがなかったのです。
東京とロンドンにしか住めないと思っていた私が、この田舎でとても心地よく
過ごせたのは、ヤスミーナが居たからかもしれません。 そして、たまたま近所
に住んでいたフェルナンドが何かあった時には助けてくれるという安心感もあ
りました。
ここをいよいよ出て行きますが、何か理由がなければ、ずっとここに居たに違い
ありません。

今日はフェルナンドが家に招待してくれました。 2年前の巡礼
の時、ここの家からお母さんとおばさんが手を振ってくれまし
たっけ。 でも、家を訪問するのは初めて。 フェルナンドのお
兄さん、お姉さんとも初対面です。 お姉さんは旅行好き、お兄
さんはお父さんのあとを継いで果樹園を経営しています。 お母
さんは、出会った時からなぜかすごい親しみの顔でした。
(この写真の顔をちょいコワイですが、すごく優しい方です)
この時期は、収穫の一番忙しい時期で、フェルナンドも手伝っています。
息子さんへのプレゼントのセーターを編む、ヤスミーナのママ
隣に住むおばあちゃんも、若い頃はバルセロナに住んでいたそ
うです。 今はここで一人暮らし。
ここから巡礼宿が見えます。

22days ( 15th.Aug-5th.Sep. 2006 )