旅のための三種の神器
旅行というのは計画している時が楽しいとよく言われるが、私たちも
何度も集まっては旅のルートについて話し合った。
最初は、私とあみやんとむらやんの三人で計画を始めた。
実は、決行(!)するまでに三年の歳月が費やされた。
・・・というのも、みんな仕事をしていたので、三人の都合の良い時期が
なかなか決まらなかった。
その間、旅の計画の合宿までした。なぜか横浜で一泊したり、出発の四カ
月前には伊豆の大島まで行った。 そうそう、晴海にある、あみやんのおば
さんの部屋を一日借りたこともあった。
私たちは確かに、旅に出る前から計画を立てることですでに旅立っていた。
出発日が決まってからは、旅行に持っていく持ち物についても、よく検
討した。 買い物にも行き、役立ちそうな物を撰んでは吟味したものだ。
そんな中で、
なくてはならないモノ、
持っていると『サスガ日本人!』と尊敬されるモノ、
又はヘンなヤツ・・・・・と不気味がられるモノ、
そんな三つのスグレ物とは?!
★一つめはアメリカ宇宙局NASAが開発した・・・と背中にもプリントし
てある、紙製のウインドブレーカーである。 これはフードもついている
ので、ちょっとした雨なら傘要らず。寒さを感じた時、服の上から着て
も下に着ても暖かい。なにしろ軽くて小さくてポケットにも入ってしまう
から、いつでもそばにお守り替わりに持っていた。最後にはぼろぼろにな
ったけど、10回まで洗濯ができて、愛着があり、今でも捨てることが出来
ないでいる。
それと、これのもう一つの良い点は、これを身に付けていると、いかにも
貧乏そうで、ドロボーに遭う率も低くなる。
ただしどうしたものだろうか、
これは買った時点ですでに廃番になっており、
現在は購入不可能である。
★二つ目はイマージェンシー・ブランケット。 つまり、緊急用毛布だ。
素材はアルミ箔のように銀色に光っていて、ガサガサと、音がする。
これは防寒用として、夜行列車の寝台券が取れなかった時や、ホテルに備
え付けの寝具だけでは足りない時にも役立つ。船で眠る時も活躍してくれた。
この製品も寒がりな私にとって、軽くて暖かい、持っているだけで安心の
一品だった。
ただしどういうものだろうか、
非常にガサガサとうるさく、自分さえ眠れぬ程で、
どれだけまわりの人に迷惑をかけたことか。
★三つ目は酔い止めバンド。 これは腕時計のようにはめ、酔い止め効果
のあるツボを押す仕組みになっている。これを、ありとあらゆる乗物、 船、
バス、飛行機、はたまたジェットコースターに乗るときに身に付けたが、
どんなに体調が 悪い時でも酔うことはなく、頼りになる一品だ。
ただしどんなものだろうか、
これを着けていると外人に(日本人からも)それは何か?
と、必ず質問を受ける。
私達は胸をはって、
酔い止めバンドです!と答えると、不思議そうな顔をして、
日本人は宇宙人だ!と言われたりした。
以上、この三つはなくてはならないモノで、他の旅行者も持っていない
(それが普通?)三種の神器で、いつも旅のあいだ、私たちを支えてくれた
感謝すべきスグレものたちだ。
いや、たぶんこれらのものは、なくても良かったのだとは思う。
ちなみに、私たちがこういったモノを見つけるのは、旅行用品専門店であり
この手の店には面白そうなモノがたくさんあるので、旅行の予定がなくて
ものぞいてみると楽しい!