桜散里-はなちるさと-
written by Miyabi KAWAMURA
2010/0430
2010/0503 S.C.C19発行予定「桜散里−はなちるさと−」お試し読み
*御案内*
こちらは、2010年5月3日発行予定
「桜散里−はなちるさと−」のお試し読みです。
御参考程度の本文一部抜粋です。
それでもいいよ、と思って下さる方のみ御覧下さいませ。
尚、web上で読みやすくなるように、改行等、書式を一部変えてupしています。
* * * * * *
掌に頬を寄せるようにされながら呼ばれて、その声音の柔らかさに、雲雀の目が揺らいだ。――こんな風に、雲雀の名前を呼ぶ人間はいない。今までに一度も、出会ったことがない。愛おしさや切なさや、感情の何もかもが混ざり合ったそんな声で呼ばれるのは、求められるのは初めてで、けれど、本当にそれを受け取るべきなのは、雲雀であって雲雀ではないのだ。……そう、解っているのに。解らされてしまったのに。
再び唇を塞がれて、雲雀は目を閉じた。
口腔の中を愛撫されて、夜風に吹かれ、気付かない内に冷えてしまっていた四肢のそこかしこに、熱が灯っていく。
「――ン……、ぅ」
差し込まれた舌がゆっくりと引き抜かれ、また深く沈んでいく。抜き差しのたびにディーノと雲雀の舌が擦れて、微かな水音が立った。
「ゃ、あ……っ……ッ」
背筋を撫ぜ降ろすような、重く鈍い心地良さが、身体に走った。緋袴に包まれた下肢をもどかしげに捩らせた雲雀の反応に、ディーノの目が細められる。
「! ン、ぁ……んっ」
下肢に添わされた掌がそこに触れた瞬間、疼くような心地良さに、雲雀の唇から声が溢れた。
「……っ……、ン、んんっ」
細い腰が、指の動きに反応して、びくびくと跳ねる。布越しに熱を孕んだ場所を捏ねてやっているだけなのに、それすらも耐えられないらしい雲雀の姿に、ディーノは僅かに笑った。
「ッ……、ん、っ」
「可愛いな。……恭弥は」
そこを他人の手に弄られるのは、初めてなのだろう。
雲雀の顔の横に左肘を突き、間近に表情を見詰めながら、ディーノは殊更にゆっくりと手を動かした。右掌全体を雲雀の下肢に押し当て、捏ねるように押し潰して、握り込む。
「ゃ……、め、っ」
黒い髪に桜の花びらを纏わせたまま、雲雀が首を振った。ふっくらとした頬が赤味を帯び、黒い目が揺らいでいる。――自分を見据え逸らされることの無かった目が、しかし今は、頑なにこちらを見ようとはしない。……もっと、見たい。もっと触れてやったら、この雲雀は、どんな表情をしてどんな声で啼くのかが知りたい。……本当なら抱いてはいけない、しかし抗いがたい思いのまま、ディーノは雲雀の脚に手を掛けた。
緋色の布を掴み、ぐい、とたくし上げる。簡単に乱れた袴の裾から手を進ませた刹那、拒むように動いた雲雀の抗いを無視して滑らかな大腿の肌を撫ぜ上げると、ディーノは、雲雀の中心に指を絡めた。
「! ぅ……、ァ」
下肢を包む布を手探りで掻き分けると、そこはもう、僅かな湿り気を帯びてしまっていた。五指を開き、熱を孕んだ場所を握り込んでいく。
「ゃ、そ、こ……っ」
ディーノの手の中で震えた雲雀が、その硬さを増した。溢れ出したぬるい蜜が指に絡む感触に、ディーノはひとつ、息を吐いた。――ゆっくりと、上下に手を動かしていく。
「……ッ……ンッ!」
びくんと雲雀の膝が跳ねた。声が零れなかったのは、咄嗟に動かした右手で、雲雀が己の口を塞いだからだ。くちゅ、くちゅ、と、手淫されている肉塊から、密やかでいて淫らな水音が立つ。それを集めるように根元から扱くと、ディーノは雲雀の先端を掌で包み込んだ。
「ぅ、んン……っ」
「――気持ち良さそうだ」
切っ先の膨らみを指で弄り、掌に擦り付ける。張り詰めた形を確かめるように幾度も撫でて、ひくついている小孔に押し当てた指の腹を、細かに動かした。
「手、ゃ、あ……っ!」
目を見開いた雲雀が大きく喘いだ瞬間、ディーノの指に、どろりとした体液が吐き出された。
「――、……っ、ぁ」
眦を淡く染めた雲雀の顔が、歪む。戸惑いと悔しさと羞恥、そして射精の快感が混じり合った表情は幼く淫らで、否応無しにディーノのことを煽った。
緋袴の中から引き抜いた掌に滴る体液を、ディーノは自分の唇に運んだ。白く濁ったそれを赤い舌先で舐め上げる。
「……恭弥」
「ん――っ」
濡れたままの掌で愛おしい造りの顔を包み、拒む言葉を零す唇を塞いだ。途端閉じられてしまった黒い目には涙が滲んでいたのに、けれど触れたい、抱き締めたいと思う気持ちを、止めることが出来ない。
>>3215ディノヒバ。
並行世界の中で擦れ違うディーノと雲雀の切なくて甘い話。
いつもよりえろ度は低めですが糖度は高いです。たぶん。
ちなみに、雲雀たんが巫子さんの格好をしていますが、
いわゆるにょたではなくちゃんと男の子です(笑)。
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