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crazy heaven
written by Miyabi KAWAMURA
2007/0131
DH_R15.M12>1月のお題>ひどいディーノ+縛り。
3/18発行「crazy heaven」にて完結済(一部抜粋)






 強い浮遊感にも似た急な覚醒が、雲雀の意識を一瞬空白にした。

(……)

 生活感を感じさせない印象の、白い壁の小奇麗な部屋。けれど病院とは雰囲気が違う。ホテルか、或いはマンションか何処かの一室かもしれないが、内装に見覚えは無く、そもそも自分がそんな所にいる理由も思いつかない。
 身体を動かすのが酷く億劫に思えて、雲雀は視線だけを辺りに巡らせた。目に入った窓のカーテンは閉められていて、外の風景は全く見えない。室内を照らす明かりは自然光ではなく、蛍光灯から放たれる人工の光だ。これでは、時刻すら判然としない。

 ここは、どこだ。

 自然に湧いた疑問に、眉を顰める。ふとついた溜息はとても重くてゆっくりとしていて、まるでその瞬間迄、肺が呼吸の仕方を忘れていた様にぎこちなかった。
そして、咽喉のすぐ下。胸の真上に感じる、僅かな痺れ。
(……痺れ?)
けれど何故、と、一向に纏まりのつかない思考を雲雀が組み立てようとした時、それを遮る様に、声が掛けられた。

「気分、悪くないか?」

 恭弥、と名前を呼ぶ声と、同時に髪を撫ぜる手の仕草。それは、雲雀の良く知る相手のものだった。
「……、ディ、ーノ……?」
 この異様な状況の説明を聞けそうな相手が側にいる事に、雲雀は心の内に生まれつつあった警戒を僅かに解く。髪から頬へと移った掌の感触は穏やかで温かく、もう一度眠るように、促されている様だ。
「まだ眠い?」
「ち、がぅ……」
笑みの混ざった声音で聞かれ、緩く首を振る。
眠いのとは違う、もっと重くて鈍い感覚なのだと伝えようとした雲雀の唇を、掠める感触があった。歯列の隙間から差し込まれた、柔らかな濡れたものが口腔を探る。
「ん、ぅ、」
唾液を緩く掻き混ぜた舌先が雲雀のそれに触れ、絡め取って甘く噛む。顔の角度を変えて雲雀の口腔深くに舌を差し込むと、ディーノは雲雀の身体に沿う様に手を動かした。脇腹を過ぎた掌が、着衣の上からも解る細い腰を通り、下腹部に触れる。
大腿を、宥める様に撫でる指先。
その次に与えられる感触を予感して無意識に下肢を捩らせた雲雀は反射的にディーノの背に腕を回そうとした。……が、しかし。

「……ッ、!!」

突然、場にそぐわない金属音が響き、腕の動きが拘束される。

「!? 何、っ」
「気付くの遅いんじゃねーか、意外と」
一気に覚醒した意識と身体が現状を理解して抗うが、耳障りな音が響くだけで徒労に終わる。悪びれもせず自分を見遣る鳶色の目を険しくした視線で見据えると、雲雀はゆっくりと口を開いた。
「こんな馬鹿な事する理由だけなら、聞いてあげるけど?」
「……理由?」
呟くと、ディーノは手を伸ばして金属音の源を……鎖を、手に取った。

 雲雀の両手首に嵌められた手枷から繋がる銀色の鎖の先は、それぞれベッドの左右の支柱に幾重にも巻き付けられていた。ちゃりちゃりと、ディーノが揺らす度に音の立つ金属の長さはさほど無い。仰向けに横たえられた雲雀の腕は肘を曲げた状態で顔の横に投げ出されており、この鎖の短さでは、腕を伸ばしきる事は不可能だろうと思われた。
 脚は、と思い僅かに身じろいだ雲雀は、やはり同じ様に鳴る音を耳にして、目に篭める意志を、自分に枷と鎖などを付けた人間に対する殺意と怒りを強くする。しかし、そんな視線を受け止めて尚、ディーノは表情一つ変えない。

「何言われようが、納得なんかしないくせに聞きたいのか? 物好きだな、恭弥は」

視線を合わせたままそう言うディーノの声には、揶揄が混ざっている。
自分に向かって伸ばされる左手を、雲雀は睨んだ。

鮮やかな青と跳ねる黒馬、絡みつく有刺鉄線。

「当然だよ」
自分に触れる相手の腕に刻まれた、凄惨で豪奢な絵を視界の端に留めたまま、雲雀は答えた。
「一撃で殺すか嬲り殺すか、選ぶ材料にはなるからね」
圧倒的に不利な状況だというのに、雲雀の言葉はあくまで強気で、退く素振りすら見えない。
「……成る程」
返された言葉に愉しそうに微笑うと、金色の髪の跳ね馬は、組み敷いた相手の首元に、ゆっくりと手を掛けた。








 着ていた制服のシャツは破かれ、大きく肌蹴られた。一つずつボタンを外すことに飽きたのか、ディーノは雲雀の襟に掛けた手を、殆ど力づくで左右に開いたのだ。千切れた糸と布地が立てた鈍い音を聞かされて、雲雀の神経は余計に逆撫でられていた。
 雲雀の抵抗を削ぐ為に、否、反応を煽る為にだろうか、身体に加えられる愛撫には一切の容赦が無い。直接触れられれば感じない訳が無い部分に滑り込んだ大人の掌は、未成熟な身体を追い詰めるべく動く。
「……ッ、んぅ」
 ベルトを緩め、前を寛げただけの着衣の中で扱かれる。零れた粘液が、雲雀自身を嬲る指と身に着けたままの布を濡らして滑りを良くし、狭く窮屈な中での愛撫を助けて水音を立てた。
 投げ出された両脚が、びくびくと跳ねる。両足首に嵌められた枷に繋がる鎖は、腕を戒めるものより幾らか長いらしい。脚はそれなりに不自由なく動かす事が出来たが、しかしそれは決して、雲雀を思ってされた処置では無いのだと思い知らされる。
 雲雀の両脚を大きく開かせた間に身体を入れ閉じられない様にして、ディーノは無防備な下肢を弄った。そしてそうしながら上体を倒し、組み敷いた身体に唇で触れる。
 与えられる快感で上がる体温と、浅くなる吐息に耐える雲雀の表情を観察しながら仰のく細い首筋を舐め上げ、その間にも雲雀自身の鈴口を握る。指先で捏ねて刺激する事を繰り返す、手。普段、自分の手で触れることすらあまりしない雲雀にとって、追い上げる為だけに動く指から与えられる感覚は強過ぎた。
 忙しない呼吸と共に零れる喘ぎ声が、絶え間なく響く。
「……ゃ、んん!!」
「もう一回、してやろうか?」
今みたいに、と雲雀の耳元で囁きながら、粘液を零す孔を指の腹で幾度も撫ぜる。途端、量を増して溢れ出す透明なものをくちゅくちゅと塗り広げられる刺激は神経を灼くが、しかし達するには足りない。
 もどかしげに揺れる身体に会わせて、戒める鎖が鳴る。
「んっ……んぅ……っ!」
「お前、前触られると本当に弱いな」
固くなった肉塊を五指で掴み、蜜を押し上げる様に殊更ゆっくり動かした後、指に絡む粘液と汗ばむ肌の感触を確かめながら、ディーノはたった今、揶揄する言葉を注ぎ込んだばかりの雲雀の耳朶を噛んだ。その痛みに、敏感な肢体は面白い位に反応する。
 次期ボンゴレ当主の座を巡る戦いの際、家庭教師として雲雀の前に現れたキャバッローネの跳ね馬が、唯一の生徒としても、そして心を寄せる相手としても雲雀を特別に(とはいっても、無為に甘やかすのとは全く違う意味で、だ)扱っていた事は、彼に近しい者にとっては周知の事だった。
 唇を重ねる事も、互いの身体に触れ合い、快楽を得る事も。……雲雀が知らずにいたその仕方を教えたのは他でもないディーノ自身で、それ故彼は、雲雀の身体を多分本人以上に、知り尽くしている。
「は、……ッ、ぁん!」
欲を溜め込んだ箇所を上下に扱かれた雲雀が、固く閉じていた目を思わず見開くと、ディーノはゆるりと笑った。嬲る手を止め、ずるりと下着から引き抜く。手の甲に施された刺青、掌、そして手首の辺りにまで淫らな蜜をまみれさせたまま、ディーノは雲雀の唇に指を突き入れた。
「!! ッ、ふぁ……っ」
 銜えさせられた固い指に当たる舌先が、粘つく感触に震える。
息苦しさと、自らの漏らしたものを含まされた吐き気で、雲雀の眦に涙が浮かんだ。口腔の柔らかな粘膜を荒らす指に噛み付き止めさせようとするが、当然それを読んでいたディーノは、指先を噛み千切られる前に、空いた右手で雲雀自身を下着の上から握り締めた。
「噛むのも、暴れんのも無し、な」
緩く手を動かして抵抗を削ぐと、雲雀の口腔から指を引き抜き、顎を掴む。
 常と変わらない、甘さの混じる表情で雲雀を見下ろしながら、けれど深く透ける鳶色の目には、普段決して見せようとはしない獰猛な色が垣間見える。
 既に湿りきり、ぬるついている薄い布越しに雲雀自身の形をなぞると、ディーノは掌に力を篭めていった。快楽に固く熟れた肉塊を、先走りで濡れた布で包んで扱く。
「ィ……ッ、ぁ、あっ!!」
細い肢体が跳ね、拘束された四肢に繋がる金属が、がちゃがちゃと煩いほどに鳴った。立ち上がった部分だけでなく、根元の柔らかな部分までも、雲雀の掌より一回り以上も大きいディーノのそれは纏めて握り込み、ぐちぐちと粘質な音を立てて蹂躙した。
「……此処、」
「ん、……、くっ、あっ、ぁん!」
「弄られるの、嫌じゃないだろ」
恭弥、と囁く声だけは甘く、けれど煽る仕方と言葉は傲岸だ。
 雲雀の呼吸がどうしようもなく乱れ始めたのに気付くと、雫を溢れさせる先端のあたりだけをわざと刺激する。一番弱い箇所を布の上から幾度も強く擦られ、直接触れられるのとは違う感覚に、ディーノの眼前で仰け反った白い首が震えた。
「や、……ぅあッ……っ!!」
ひゅ、と息を吸い込んだ雲雀が身体を固くした瞬間、ディーノは散々に嬲った身体を殊更強く、ぐちりと握り締めた。
「……っ……!!!」
びくびく、と震える下肢と、濡れた布の中で広がる淫らな液の感触。それを掌で堪能すると、ディーノは濡れた己の掌を舐め、そのまま雲雀の下衣を引き降ろした。
「ふっ……、ぁ」
達したばかりの身体が、突然晒された外気に震える。先端から滲んだ白濁がとろりと零れ落ちる様を見遣ると、ディーノは手を伸ばして、雲雀の右足首に付けた枷の留め
金を外した。脱力しきった細い右脚を掴み、中途半端に脱がせていた下衣から引き抜く。
自らが吐き出したものにまみれたままの雲雀の下肢は、鳶色の目の前に全て晒された。




>>to be continued.


オフ本「crazy heaven」にて完結しました。ネット再録予定はありません。
 
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