恋ノ病
written by Miyabi KAWAMURA
2007/03/31
DH_R15.M12>3月のお題>偽親子ディノヒバでエロ
作者弱気につき、ワンクッション置かせて頂きました。
「こんなこと並盛の小鳥にさせたくなかったのに!」
とか、最初は逃げ腰だったんですが書いてる途中で偽親子パラレル話である事を思い出し、
「あ、そうか、今回の雲雀は並盛の小鳥じゃなかった。キャバッローネの恭弥だった」
と気付いた瞬間、吹っ切れました(笑)。
…心底申し訳ない感じのSSですが、心の広い方のみ御覧下さい。ちなみに
執筆中のBGMは平/井/堅の哀/歌でした。お持ちの方はBGMと共にお楽しみ下さい(笑)
つか、この曲ほんとうにすごい。
上で色々書いてますが、えろ度は低いです。そして短いです。
ただなんていうか、「雲雀の一人エチ」ってそれだけでやらしくないですか(笑)。
どうしよう! キャー! みたいな(笑)。
ヨム。
↓
右手中指の爪は三日前に割れたばかりで、その傷は未だ癒えてはいなかった。
ようやく切れた皮膚が乾いて、塞がり始めた箇所。……口元に運ばれかけた指先は、躊躇うように一瞬止まり、けれどすぐに思い直して唇が触れる。
息をつめて声を殺す。
自分がしようとしている行為に対する嫌悪感は、有る。本当はこんなことしたくない。するべきじゃない嫌だ、という気持ちが有る。しかし、どうしようもなく身体は苦しがっていて、そして雲雀の理性(くらくらと酩酊し、真っ当な思考を巡らせることすら出来なくなっている状態のそれを、理性と呼んでいいのかは分からないが)は、そんな身体を簡単に甘やかそうとしている。
壁に背を預けて床に座り、立てた膝に、空いていた左手を掛ける。
ゆっくりと押し開きながら、大腿を滑り降りた掌が身体の中心に触れた。
「ッ、……ぁ」
それだけでも、咽喉が震える。……震えはするが、けれどそんなことでは全然足りない。
指の腹で、衣服の上からそこを撫でた。ぴくん、と膝が揺れる。最初は躊躇いがちに人差し指だけが動いていたのに、いつの間にか中指が、かりかりと爪を立てるようにしてそこを一緒に弄り始めていた。
心臓の音が煩い。四肢の指先、首、頬、そして耳まで体温が上がり、汗が滲む。
「……ん、……ッ!!」
布越しに自身を撫で、指先で押し捏ねるだけの刺激でも、自分でする行為に全く馴れていない身体は、腰に溜まる快感ともどかしさを我慢しきれない。思わず洩れかけた声を塞ぐ為に、雲雀は唇に触れていた指を噛んだ。
「! ……ッ」
固い歯に挟まれた割れた爪の端が、皮膚に食い込む。
その痛みと、そして指先を濡らした舌の感触に、雲雀は眉を寄せた。これでは逆効果だ。
指に這わされた舌、口腔の熱。
三日前にそうされたときの事を思い出してしまって、声を塞ぐ為にした筈の行為が余計に雲雀を追い詰める。
く、と唇を噛んで手を止めると、唾液に濡れた右手と、下肢をなぞっていた左手で、ベルトを緩める。乱れた息と、震える指。自分でしていることなのに見ていられなくて、両目は固く閉じたままだ。ボタンを外し、前を寛げるときに布が捩れて下肢が擦れる。そんな刺激すら全部拾い上げて、雲雀は息を零した。
薄く目を開けると、ベッド、机、天井、見慣れた自分の部屋が視界に映る。
真夜中でも、キャバッローネ邸から人の気配が絶えることはない。しかし、ボスであるディーノと、彼の養い子である雲雀の私室がある棟には、余計な人間は絶対に近付かない為、邸内の他の場所とは比べ物にならない位に静かだ。
どんなに声を堪えても、雲雀の耳には否応無しに自分の乱れきった呼吸音が届いてしまう。部屋の扉は分厚いオーク材で造られている。……完全に閉じているのだから、室内の音が外に漏れることなど絶対に無いと分かっているのに、雲雀は右の掌を口に押し当てると、左手を着衣に掛けた。
「―― ッ!!」
直接肌に触れた指先が、既に滲んでいた液のぬかるみで濡れる。
既に固くなり始めていた自身を緩く握ると、先端に届いた指で、そこを擦り撫でた。
「……んっ、んん」
汗で湿っていた下肢が、溢れるものでどんどん濡れていくのが分かる。狭い着衣の中で指を動かしている内に、喘ぎを押し留める自分の掌すら邪魔になって、雲雀は右手を口から離した。
「は……ッ、ぅん」
熱に浮かされたように、視界が滲む。
蜜を零す先端を爪で掻いてみると、勝手にびくびくと膝が跳ね下腹部に力が入った。もう一度刺激を欲しがって身体が勝手に動く。先端の小さな窪みに爪が掛かり、雲雀は咽喉を鳴らした。今まで覚えた事のない口寂しさを感じた瞬間、雲雀は爪の割れた指先を舐めた。
「ぁ、うあッ、……ッ」
粘液にまみれた自身を、掌全体で捏ねる。
ずる、と寄り掛かっていた壁から背がずれて、身体が床に沈み込んだ。そのまま、子供のように身体を丸める。下肢に力が入り、弄る左手をきつく挟み込んでしまうが、そのまま指で一番気持ちの良い場所を擦ると、苦しい位の熱が身体の奥でうねった。
握り締めて、指を動かして、撫でて、爪で掻く。
細かく身体を震わせながらする単純な行為の、繰り返し。
雲雀が初めてこれをしたのは三日前で、そのとき以来ずっと心の中には、苦い躊躇いが巣食っている。けれどそれと同時に、脳が溶けるような快楽を知ってしまった身体は、どこか枷が外れてしまったようだった。
傷が開いたのか、薄く鉄の味が滲み始めた右手を持ち上げると、雲雀は自分の指が僅かに震えているのに気付いた。薄暗い部屋の中で、唾液の絡んだ指は鈍く光っている。
『痛くないか?』
「ん、ぅ…ッ」
不意に耳に浮かんだ声を、首を振って追い払う。
……駄目だ、こんなのは絶対に。
「ぁ……や、」
は、と大きく息をつき、自分を煽る熱に抵抗するように下肢を捻る。けれど、それはもう無駄なことに過ぎなかった。それまでの手淫で散々に濡れていた下肢は貪欲に揺れて、掌に自身を押し付け、少しでも多く快楽を得ようと好き勝手に動き始める。
「……ッ、は、ぅ」
それに合わせて指を蠢かすと、固くなった裏筋をなぞりあげる結果になり、ぞくぞくとした快楽で全身が震えた。
「ん……ぅ、ぁッ!」
新しく覚えた仕方を、もう一度繰り返す。息が上がる。どくどくと動いている心臓が胸の中で痛い位に感じられて、破裂してしまうんじゃないかと思わされた。
雲雀は、もう一度、割れた爪先を咥えた。
『血出てる。……爪、割れてんだろ』
三日前、そう言って雲雀の手を掴み、爪先の怪我に触れた相手。
金色の髪、鳶色の目、左腕のタトゥー。
他の誰よりも同じ時間を過ごしてきた、自分の養い親。
その彼が、他意無く、それこそ親が怪我した子供を宥める為に傷口に口付けるのと同じ意味でしたのだろう行為に翻弄されている自分自身が、雲雀には信じられない。……信じられないのに、こんなのは絶対におかしいと頭では分かっているのに、行為を止められない訳が分からなかった。
「ァ……ッ、んんっ、」
彼がしたことを思い出して、覚えている限りに舌を動かす。
手の甲まで伝い落ちていた血を、全部舐め取られた。あのとき自分は驚いて彼の手を振り払うことも出来た筈なのに、何故かそれが出来なかった。……離して、とひとこと言えば、きっと相手はすぐに、行為を止めただろうに。……彼にとっては、あんなことは冗談めいた消毒の代わり程度の意味しか無かったのだろうから。……けれど、雲雀にとっては。
あの日の夜、雲雀は初めて、自分の身体に触れた。
指先から掌、そして甲に感じた、彼の舌の感触。捕まれた手首が、少し痛かったこと。
その全部が頭の中を掻き乱して、気がついたときには、自分の掌は白濁にまみれていた。
「……ィ、……っん」
左手の五指が、ばらばらに動く、
覚束ない指使いでは何かが足りなくて、雲雀は息を詰めると、右手を自身に伸ばした。
「!! ぅあっ」
両手で自身を包み、触れ撫でる行為を繰り返す。
弄ることで得られる快楽を覚えようと、無意識に動いているのが自分の身体だとは思えなくて戸惑うが、そんな思考はすぐに霧散した。
「ん、……んぁっ」
先端に手を掛け、指の腹と爪で押し潰すように刺激する。
戦っているときとも違う、全身が炙られて溶けるような快感に飲み込まれそうで、あたまがおかしくなる。
「……、ィー、ノっ」
吐息と一緒に、思わず零してしまった名前の欠片に、雲雀はびくりと身体を震わせた。
「や、……だ、ぁ」
違う。そんなのは、絶対に違う。
固く目を閉じて否定するのに、くちゅりと蜜を零す窪みに尖った爪が当たり、その刺激に身体は簡単に陥落した。
「ィ、あ……っ」
割れた爪、じくじくと痛む指先。
彼の舌が触れた指で、今、自身を弄っているということを意識した瞬間。
『恭弥』
一際大きく心臓が鳴った。
「んっ……、ぁうッ!!」
掌の中で自身が跳ね、なまぬるいものが溢れた。
咽喉から掠れた息が零れ、爪先まで硬直した下肢が、細かく震えて弛緩していく。
濡れた指は、未だ震えていて。
けれど雲雀は、それを殆ど無理矢理に、握り締めた。
>>fin.
……ひとりエチ、超難しいです(泣)。
偽親子ディノヒバ、続きとか書いたら読んで下さる方いますか?←地味にアンケートしてみる。
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