恋襲 -こいかさね-
written by Miyabi KAWAMURA
2007/1123
DH_R15.M12>11月のお題>着物
掌を合わせ、指と指を絡ませていきながら口付けた。
口腔を探っていた舌で奥を撫でられ、一瞬眉を顰めた雲雀はしかし、今度は自分から相手の舌を食んだ。閉じていた目を薄く開け、鳶色の目を見詰めながら、ゆっくりと身体の力を抜いていく。背が畳に着き、それを追う様にして、顔の横に左右の手を縫い止められる。
真上から与えられる噛み付く様な接触に、唇の端から唾液が零れた。
引き抜いた舌先でディーノがそれを拭うと、追いかけてきた雲雀の舌が、ディーノに擦り付けられる。敏感でしなやかな、濡れた部分。肌がぶつかるのとは全く違う触れ合いに、身体に篭る熱が上がっていく。
唇を滑らせ、頬を通り、たどり着いた首筋を強く吸うと、雲雀が絡み合わせたままの指先を震わせた。痕を残されるのが嫌なのか、それとももっとそこに刺激が欲しいのか、どちらとも取れる反応にディーノは薄く笑って、身体を起こす。
指を解き、柔らかな頬に触れた。
雲雀の髪を緩く撫ぜてから掌で顔を包み、薄く開いた唇同士をまた重ねる。
繰り返される深い接触。身体を繋げるより先に、雲雀の内側の熱を舌先で確かめていきながら、ディーノは雲雀の首に――黒色の浴衣の衿に、手を掛けた。
糊が効いた布の、手触りの良い固さ。
緩く乱してやった合わせから覗く肌は上気し淡く色付いていて、細い肢体のどこもかしこもが、触れたディーノの指にひたりと吸い付く。
小さな胸の尖りを弄り、しこった場所を爪と指の腹で押し潰すと、伝わる鈍い痛みに雲雀が身体を揺らした。宥めるように掌を滑らせ、その後を唇で追いながら、胸の合わせを剥ぎ、乱していく。敢えて帯には手を触れず、その先――浴衣の生地ごと中心を握り込むと、ディーノの眼前で、雲雀の咽喉が鳴った。
「……ん……ッ」
声を堪える相手の呼吸に合わせ、指を動かす。
雲雀が唇を噛み締めると弄る力は逆に緩められ、しかしそれに無意識の安堵の吐息を付けば、掌で押し潰す様に捏ねられた。
「! っふ……、ぁ」
露わになった胸元を、長めに伸びた金色の髪が掠めた。
硬い歯が、先刻指で悪戯に触れた尖りを挟む。傷つけない程度に、けれどわざと痛みを感じる強さで噛まれ、咽喉を震わせた相手のそこを、ディーノは赤く色付くまで責めることを繰り返した。
「も……ッ、そ、こっ」
下肢には指、そして上体には歯と、舌先。
敏感な場所を同時に愛撫され、放り出されていた雲雀の腕がもどかしげに動いた。伸びた右手が、この和室――ごく限られた人間しか立ち入ることの許されていない、雲雀の私室唯一の家具である文机にぶつかる。
響いた鈍い音に目を上げると、ディーノは苦笑した。鳶色の目が見遣った先、筋の浮いた薄い手の甲は、赤くなってしまっている。
「暴れるなよ」
痣になっている、と、囁き。
雲雀自身への愛撫を、掌で包むものから長い指を絡ませるものに変えていく。
「痛いより、気持ちいい方が好きなくせに、お前は……、」
雲雀の顎を左手で捕らえると、己の目を見詰めることを甘く強いながら、布越しに触れたものを上下に扱く。
「ァ……、んんっ!!」
「……相変わらず、じゃじゃ馬、だな」
ようやく僅かに漏れた声に、ディーノは緩く微笑った。
揶揄されたことに目元を厳しくしても、けれどそれでも、雲雀は拒んではいない。
仰のかせ、晒させた首と顎を舌先でなぞる。そのまま吐息が触れ合う近さで名前を呼ぶと、応える様に雲雀の唇が開かれた。
互いに顔を傾け、唇を重ねる。
口腔に流れ落ちる唾液を、雲雀は咽喉を鳴らして飲み下した。
息を継ぎ、相手の中に自分から深く舌を差し込んでいく。それを受け止めたディーノは、雲雀を絡め取り、奥まで誘い噛み扱いた。舌の感覚が無くなりそうな錯覚に、伏せられた雲雀の瞼が震える。
口付けを解いた刹那、どちらともなく漏れる吐息。
雲雀の下肢から離した手を、ディーノは上へと滑らせた。脇腹から腰骨まで、薄い肌とその下の骨格をなぞる。
愛撫を繰り返してやっている内に乱れきってしまった浴衣が、若緑色の畳の上にしどけなく広がっている。
行為が始まる前、きちりと着付けられていた姿との落差。いつの間にか緩み始めていた帯先を大腿に纏わせながら、黒い布の上で息を乱している雲雀の白い肌の色は、ディーノの視界の中で淫らに映えた。
「ぅ、あ……っ」
大腿の内側、伝い落ちた先走りで鈍く光る柔らかな肌を探られ、雲雀が啼いた。
「んっ、ぅ……」
蜜にまみれた肉塊が、布越しではない、直接の感触にびくりと震える。
乱れた裾が作る暗がりの影で、ディーノは雲雀自身を、殊更ゆっくりと扱いた。先端から溢れる粘液の量が増し、濡れた音が響く。
「……ッ、−ノ……っ」
びくり、びくりと膝を揺らしながら、思わずといった風に、雲雀がディーノの左衿先を掴んだ。
「ゃ、も、……っ、んぁっ」
「……我慢出来ない?」
「ん、んんっ……!」
袖を通し、帯を締めるだけにしていた烏羽色の浴衣の襟元が、大きく乱れる。
雲雀の手に引かれるまま上体を倒していきながら、ディーノは組み敷いた相手の脚を開かせ、重なり合った下肢を緩く揺らした。
「――ッ」
昂ぶった箇所がぶつかり擦れて、深まる熱と耐え切れない欲に、鳶色の目が眇められる。
「……恭、弥」
「っ……ぁ……」
情欲の滲む声音に耳元とそして首筋を撫でられ、雲雀は張り詰めた息を漏らした
……着物で微えろということで。
>>つれづれなるままに未完ですすみません。
帰
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