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Per favore sia gentle a me.
2008/0505
written by Miyabi KAWAMURA
2008年雲雀誕SS







 重なっていた唇が離れる。
少し痛い位に掴まれた髪に、ディーノは鳶色の目を眇めた。





 湿りきった、呻くような吐息が雲雀の口から溢れる。指に絡む金色の髪を何度も握り直し、深く穿たれ自由にならない下肢を身じろがせた。……まだ、中が解れきっていない。こうして抱かれることが、久しぶりなせいだ。

「……っ、ぁ、……ん」

今届いている一番奥で探るように腰を揺るがされ、雲雀の咽喉が震えた。

「――ッ……は」

大きく息を抜いて、下腹部に溜まっている重たるく熱い痺れを逃がそうとするが、受け入れている場所ばかりが敏感になっていて、上手くいかない。


「恭、弥」
「……ィ、あ……っ」


自分に覆い被さっていた重みが消えて、雲雀は閉じていた目を開いた。
眼球の表面に浮いた涙に、ベッドサイドの明かりが反射して眩しい。ふる、と震えた瞼を宥めるように指で触れてきた相手の腕にある黒馬。それを見詰める雲雀の眦から、透明なものが流れ落ちた。

「……恭弥」

繋がったままの腰を、左右から掴まれる。
その瞬間、雲雀の内側が波立った。ディーノの指先が、薄い皮膚に沈み腰骨に当たる感触。このまま、もっと奥を抉られる。その予感に先端を震わせた雲雀の自身に、長い指が絡み付いた。

「! ぅ、ぁ……っ」

固くなっていることを確かめるように撫で扱かれ、ぬるぬるとしたものが量を増して溢れ始める。

「ゃ……、ァ、んんっ!!」
「……辛い?」
「ン、ん……っ」

雲雀の身体の、快楽を感じ取る場所の両方を嬲りながら尋ねてくる相手の声は、どうしようもなく甘い。指の腹できつく擦られた後、爪で掻くように自身を弄られて、雲雀が耐え切れない声を漏らす。引き攣った呼吸につれて、咥え込んだままの肉塊をきつく締め付けると、煽られた快楽を遣り過ごすように眉を顰めたディーノが、微笑した。


「本当に、かわいいな、お前は」
「な……っ、ぁ、うあっ」
「自分じゃ、わからないか?」


今、と言って、再びディーノは指を雲雀の先端に添えた。


「……ほら」
「や、ぅ……っ」


窪みの割れ目に、触れるか触れないかの強さで施される愛撫。それに反応してざわつく、柔襞。


「今、恭弥の身体が、オレに」


充血した剥き出しの粘膜と、自分でも触れることの無い内側の粘膜。それだけでは飽き足らないのか、雲雀以上に雲雀の身体を把握している相手の声は、雲雀のことを聴覚からも犯す。


「……もっと優しくして欲しい、って言った」
「!……っ、んんっ!」


一際固く張り詰め、ディーノの掌の中で弾けた熱。薄暗がりの中で、鈍い艶をもって光る体液。


「――、……ァ」


身体の強張りが解けた刹那、あやすように奥を突いてきた肉塊に咬み付いた内襞は、それまでとは全く違う甘えねだるような仕草で動き始めた。



「……優しくしてやる」



指を濡らしている全てを舐め取ると、ディーノは雲雀の髪を撫ぜた。自身に縋りつく熱い襞の感触を味わいながら腰を退き、緩く突き上げながら言葉を続ける。


「他には? 恭弥」
「ディー、……っ、ぁ」
「オレに、して欲しいこと、全部教えろよ」
「も……っ、ぁうっ」
「今夜は、お前が望むこと全部、かなえてやるから」


開かせた脚の膝を掴み押し上げると、ディーノは身体を倒し、雲雀の耳に唇を寄せた。




「……誕生日おめでとう、恭弥」







>fin.

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