2007年 第9回水ものオフ会
俺光る潜水艦「マリーンバード」コンテストのご案内

水ものオフ会毎年恒例の俺SFメカコンテスト、2007年のテーマは…
俺光る潜水艦「マリーンバード」だ!


 

★俺光る潜水艦            
 マリーンバード
                   について

 1968年、「キングシャーク」や「サブロック」でオリジナルSF路線の絶頂期にあったニチモがこの年の夏に満を持して発表したのがこの「光る潜水艦シリーズ」であった。まずは4号、5号、6号の三部作のパッケージ及び、当時の「少年キング」に掲載された雑広をご覧いただいきたい。

 まず目に付く特徴は、水中モーターを専用動力としながら無粋につり下げるようなものになっていない洗練されたインダッシュ型デザイン、またMJ号のように空を飛ぶことも考慮された水中翼端構造及びジェットエンジンの搭載、そして電飾が無いにもかかわらず「光る潜水艦」を標榜している点などが挙げられよう。

 当時まだ少年雑誌の戦記もの口絵のような重々しい色調のボックスアートが少なくなかった中、この梶田画伯の明るい色調のイラストをベースにしたハイセンスなパッケージデザインは、アイキャッチ度の高い特徴あるボックストップとなって夏を迎える少年達の目に飛び込んできた。当時の模型少年で、今でもこのパッケージを鮮烈に覚えている方も多い事だろう。
 

 当時これを作った諸氏はすでにお分かりの通りだが、キットは150円と比較的安価だったにもかかわらず3〜4色で構成されている。その内の2色には蛍光塗料が使用されていた。またデカールには蓄光(夜光)塗料が使用されておりそれを適宜船体に貼り付けることにより、夜電気を消したお風呂の底でボ〜ォと光るのである。
 これを当時「騙された!」と思ったか「スゲ〜!」と思ったかで、大人と子供のボーダーラインが引かれていたように思う。当時小5だった筆者(テルシュタイン博士)は勿論後者(幼稚)であったわけだが、そうした意味でも取り分け印象に残るキットであったと言えよう。
 蛇足だが、当時の潜水艦プラモのトレンドであった「自動浮沈装置」が搭載されていたことは言うまでもない。
 

 そしてあれから39年が経った今年の夏、めっきり元気の無くなってしまったニチモにエールを送る意味も含め、UMA水オフのテーマ企画として本企画が立ち上がることとなった。UMA会員諸氏はあまねくこれを作り、1968年のあの熱かった夏の日の一日を再現しようではないか!!
 

 以下にその特徴をもう一度整理しながら、今回の俺コンセプトを定義してみよう。
(1) 水中モーターを船体の一部としてデザインに組み込んだ潜水艦(潜水艇)である事。(決してS―1を無粋につり下げるようなものであってはならない)
(2) マリーンバードの名前の如く、空も飛べると言うコンセプトを考慮したデザインである事。(実際に飛ばなくてもよい)
(3) 何かしら「光る潜水艦」である事。(夜光塗料・蛍光塗料による塗装、及び今回は豆電球やLED等によるアクティブ発光も可)
(4) 自動浮沈能力を推奨。(必須機能ではない)
(5) 水中モーターはマブチ製、またはタミヤ製とする。
(6) マリーンバードシリーズは海上自衛隊所属艦艇(「JAP.NAVY」のデカールあり)なのですが、今回は国籍設定は自由とします。(マンガ「青の6号」の設定同様、色々な国が集まって運営している組織体という事)
(7) マーキングナンバーに関しては下記「ナンバリングに関して」覧を参照
※ナンバリングに関して
 マリーンバードは4,5,6号が実際にキット化されているので、前記の番号は欠番とします。艦番号1、2、3あるいは艦番号7以降で各自の好きな番号を決め、掲示板にエントリーする時に自分がマーキングする艦番号を宣言して下さい。取得は掲示板上で宣言した早いもの順とします。

 

 その他関連商品として、水中モータ一体型デザインのSF潜水艇としては、日本ホビーの「スターファイヤー1世885号」および、こちらはマブチではなくオリジナルの水中モーターを搭載したサンキットの「アストロビー」があるので、ぜひ参考にされたい。
 また当時のキットをバリッと作って持ってこられる豪傑モデラーも大歓迎!


 日本ホビーはマンモス戦車シリーズや1/250大和などの硬派スケールモデルで有名なメーカーだが、当時のトレンドとして自社オリジナルデザインによるスターファイヤー1世885号という宇宙艇(ASTORO BOAT)もリリースしていた。
 宇宙艇でありながらマブチ重工の汎用原子力水中モーターを使用するというコンセプトと、搭載している小型艇がスクリュー装備で、当時世界の海で活躍していた深海潜水艇アルビン号を髣髴させるデザインである事などから、これは星雲間宇宙気流の中心に存在する広大な液状星間物質エリア「宇宙海」を航行する為の特殊艇である事が分かる。
 因みに宇宙海で使用可能なメカは、これ以外にアオシマ造船がジュニアサンダーセブンを改良して製作した宇宙海艇「コスモファルコン」が有名で、後にナカムラ鉄工所も地球型潜水艦をベースにした各種大型艦を建造してJOSF(Japan Outer Space Force:日本外宇宙軍)の宇宙海域防衛隊の中核となった。
 スターファイヤー1世はスペースモーター1型(S−1)ユニットを背負い式に搭載したユニークなデザインで、補助巡航エンジンにはタキオンエンジンユニットを2基搭載している。同エンジンから発生するタキオン放射線は膨大な量となる為、堅牢なシェードをもってしても量子論的トンネル効果によってかなりの量が漏洩する。タキオン放射線そのものは人体には無害だが、複数の発生源が隣接すると相対論的因果関係破綻を引き起こして競合暴走を起こす為、同宇宙艇では2基のエンジンは十分な安全係数を取った位置(タキオン放射線の影響は距離の二乗に反比例)に離して配置されており、これが同艇の外見上の特長ともなっている。
 

 アストロビーは原子力ハイドロエンジン推進の強力な核ホーミング魚雷そのものをメイン動力とする小型攻撃艇である。
 しかし所謂特攻艇ではなく、敵を発見すると操縦席部分が切り離され、コックピット部分はロケット動力の補助推進装置によって安全に基地へ帰到する事を保証している。
 原子力ハイドロエンジンはマブチ重工の汎用水中エンジンS−1ユニットと同じRE−14型原子力モーターを使用しているが、核魚雷として自走する時の安定性を確保する必要があり、本体上部には空気室を兼ねたジャイロ装置を有する。この要求仕様をクリアする為にサンキット技研がオリジナルデザインコンセプトで自社開発したホワイトハイドロエンジンを使用しているのが特徴である。
 

 ニ十世紀後半は海洋利権が幾つかの無政府集団によって狙われる事態が頻発した時代でもあった。国と国との紛争ではない新たな武力衝突はそれまでの国際問題とはまったく別の方法論で対応せねばならず、国連加盟国が結束して対処に当たった「青の組織」をはじめ太平洋某所の緯度0付近に存在すると言われる無政府海底国家、旧日本海軍の残存兵力による通称「神宮寺部隊」などの活動が非公式に伝えられる。
 マリン財団の要請によってクラウン重工業が製作したマリンシリーズも、そうした自主防衛戦力の一翼を担ったメカである。
 マリンジェットとマリンクリッパーと呼ばれたこの空海両用戦闘メカは、マブチ重工の汎用原子力水中モーターを内蔵型に装備した最も早い時期のメカのひとつである。
 マリンジェットは、当時の状況に数少ない戦力で対応する為に「空を飛んで問題海域に急行し、海中に潜って戦闘を行う。」というマリーンバードシリーズと同様の運用コンセプトで設計されたスーパーメカである。
 その為船体はリフティングボディ機のデザインを取り入れ、更に翼端失速気流の渦を逆に揚力に利用する為の独特な形状をしているのが特徴である。
 これによってマリーンバードシリーズ以上の破綻のない優れた船体デザイン性と強靭性を獲得している。

 上記はマリンジェットのコンセプトイラスト。飛行時ではなく、陸上のエプロンから直接海中に突入する時の発進シーケンスのようである。
 マブチ重工の汎用原子力水中モーターの搭載方法がよく分かるイラストであるが、左端のキャプションの「ゼンマイで走る」となっている部分が意味不明。新型のパワープラントの事か?
 

 同じくクラウン重工業の手になるマリンクリッパー。マリンジェットが高翼面荷重の高速メカを目指したのに比べ、こちらは低翼面荷重で高い機動性を狙ったデザインである。
 流麗なカーブで処理された翼端形状は、これも翼端失速対策に長けたクラウン重工業のデザインチームの技術力の高さを体現しているといえよう。
 敵の魚雷は命中直前まで引き付けられて難なくかわされてしまう為、損失はゼロであったという非公式情報もある。
 スマートでパンチのきいたカラーリングセンスもイカス!

 アストロビーで好評を得たサンキット技研であったが、やはり自社で開発したホワイト水中モーターは整備性、防水性、推進性能などの総合力でマブチ製ユニットに及ばなかった為、マブチ製ユニット装備を前提にしたマルチパーパスなパトロール艇の開発が進められた。
 こうして完成したのがサイドワインダーであるが、気密性と剛性に優れた軽量ボディは、後に原子力ミサイルパトロールカーとして地球外惑星上で活躍する事となった異色のメカである。
 こうしたメカの設計情報は殆ど公開されていないが、サイドワインダーに関しては戦時中にアレキサンドリアから発見された古代文書を解読して大いに設計の参考にしたと言う噂がある。
 信憑性は定かではないが、その古代文書に記されていたものとは、20世紀後半に沖縄海洋大学が太平洋海底で目撃したと言う謎の古代メカ(番匠谷記念財団レポート参照)と同じものだとも言われている。
  

 上記はサイドワインダーのコンセプトイラスト。これも汎用水中モーターの搭載方法がよく分かる。
 右側のイラストでは汎用ユニット以外の動力と互換性がある事が分かるが、マリンジェットの「ゼンマイ動力」同様に「ゴム動力」と言う謎のパワーユニットを使用するようである。 謎の宇宙植物から抽出される超弾性体物質を使用したパワープラントと言う情報もあるが、詳細は不明。
 

 

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