■建築歴史・意匠部門――研究協議会

■タイトル: 鉄筋コンクリート造建築の“安全性”とオーセンティシティ

■資  料: あり

■日  時: 824日(水)14:0017:00

■会  場: 早稲田大学

 

■司会  山崎 鯛介(千葉工業大学)

■副司会 海老沢 模奈人(東京工芸大学)

■記録  二村 悟(工学院大学)

                                

1主旨説明(5 分) 大橋竜太(東京家政学院大学)

2.主題解説

日本の鉄筋コンクリート造建築の歩みと現在 堀 勇良

❷地震時における非構造部材の被害実例     名取 発(東洋大学)

3.討論       後藤 治(工学院大学)

                西澤 英和(関西大学)

                長谷見 雄二(早稲田大学)

                堀 勇良

                名取 発(東洋大学)

4.まとめ    羽生 修二(東海大学)

                                

 鉄筋コンクリート造の建築作品を巡り、近年には歌舞伎座や東京市復興小学校などの昭和初期の秀作が「老朽化」という理由の下に取り毀され、また世田谷区民会館や法政大学校舎など戦後1950年代に竣工したモダニズム建築を今後どのように保存・再生すべきかが議論されてきました。竣工後50年を過ぎたこれらの作品は、既に登録文化財としての資格を有しているものの、「鉄筋コンクリート造建築において保存すべき価値」は、まだ新しいテーマであり、十分に議論がなされているとは言えない状況にあります。

 そうした中、311 日 には東北地方を中心とする東日本大地震が発生し、伝統的な建物のみならず鉄筋コンクリート造の建物も竣工時期の新旧に関わらず大きな被害を受けました。そ の中でも特に天井や外装材の損傷・落下事故は、建築物の“安全性”が構造体の耐震性能だけでは測れないことを示しており、今後は人類共通の文化遺産である 歴史的建造物を後世に伝えていくためにも、そうした視点からの配慮が不可欠になると思われます。

 そ こで、今回 の研究協議会では、鉄筋コンクリート造の歴史的建造物について、保存すべき価値(オーセンティシティ)と“安全性”の両立という課題について、広く議論し ていきたいと考えます。どちらも自明なものではなく、状況と実践の中から発見していくものであり、その意味において、研究者の日頃のご研究・実践活動の中 から有意義な提案を示していただき、それを巡って議論を進め、その成果を今後の歴史的建造物の保存・修復に反映させていきたいと考えます。