エルエス  ビッグコマンダー   紅(くれない)のBIG−C



 2003年5月に開催された静岡ホビーショーに、ギミック系プラモデルをこよなく愛するグループ「ギミック道楽」さん(代表森高哲治氏)が常連参加されました。更にそこに今年も、オヤヂ博士の良きライバルであり親友でもあるテルスター中潟氏(またの名をテルスター中尉)が飛び入りすることになりました。
 今年のギミック道楽さんのテーマは「有線リモコンSF戦車!」こうなればオヤヂ博士も黙っている訳にはいかない、と発奮し、展示走行の援護射撃をすべく作り上げたのが、この往年のエルエスが世に送り出した名キット「ビッグコマンダー」です。
 テルスターさんは17日最終日に、御自身のキットであるイマイの「ジグラート」とともに参加されましたが、当日早朝静岡行直前に王国世田谷出張所(オヤヂ博士の家(^_^;))に寄ってビッグコマンダーを受取り、ホビーショーに参加できない博士に代わってデモンストレーション走行をすべく一路静岡に向かったのでした。
 今回公開する画像は、ホビーショー終了後にテルスター中尉から届いた、アングルばっちりのビッグコマンダー画像です。
 

 坂を登坂するBIG−Cを捉えた迫力有るアングル。全長20センチに満たない小さな車体ながら意外な迫力で迫ります。
 ドリル状の車体前部は、インストではレーダーとシェード(前部オオイ)となっていますが、作例では回転ラム(衝角)という設定としました。8つのバルジのついた基部と4本のフィンのついたラム本体は、有線リモコンボックスに増設したスイッチを入れると二重反転します。
 回転速度もメリハリが付くように約1:2の速度になるようにしましたが、回転速度が速過ぎたため、回転中は異速度である事も二重反転である事もよく判らなくなってしまいました。(^_^;)
 エルエスのSFメカの最大の特徴は、多くのラインナップで様々なパーツの共有をしている点です。このBIG−CもSFシリーズの兄貴分であるスペース1号、2号やその他のキットと同じパーツを上手くアレンジしていますが、ラムの基部と本体も、実はスペース1号では車体上部に上向きに突き出たレーダータワーそのものです。
 


 正面から捉えたBIG−Cの勇姿。
 リモコンボックスの押しボタン式発射ボタンを押すと、ニ基の機関砲塔が連動して左右に掃射運動をし、発射音とともに4つの砲口が光ります。


 車体の色はパッケージアートを参考にした赤です。パッケージイラストではもう少し鮮やかな朱色でしたが、スケールが小さい事も有り、オモチャっぽくならないようにくすんだ感じにしました。また単調になる事を避ける為、車体サイドはダークグリーンで締めています。
 オヤヂ博士も生まれて初めて戦車を赤く塗ったのですが、何とか破綻しないで纏まったでしょうか。
 

 スペース2号と共通の車体上部の流れるようなラインがよく分かるアングルです。車体後部は走行用2モーターギアボックスとスピーカーで全く隙間が無くなった為、残念ながらレーダー回転しないのがちょっと悔しいです。
 

 車体のスタイルは基本的に素組ですが2箇所だけアレンジしてあります。
、まずラム先端には小さなキャップ状の部品が付くようになっていましたが形もヒケていた為、ジャンクパーツからビーム砲のような金属パーツを付けてみました。(先端二段の銀色の部分)
 また二基の砲塔の中間にパトライトのようなものが見えますが、これもオリジナルには無いパーツです。赤く透明なこのパーツの中では、断面をスラントに削いで光を反射するようなシャフトが、ラムと連動して回転します。回転時には1mmほどポップアップし、回転が止まると同時に元の位置に戻るのですが、動きがチマチマしていてよく判らないです。(^_^;)
 ターボインジケーターと名付けてみましたが、テル中さんも「何だか良く分んないけどすごいね。」と言っていました。
 

 車体側面の「BIG COMMANDER」のデカールはオリジナルのもの。但し発売から35年という年月によって劣化し、いくら水につけても台紙から剥がれようとせず、息を止めながらカッターの刃で削ぐように取らなければならなかったものです。
 更にいざ貼ろうとしてもモザイクのように割れてしまうという難物で、泣きながらパズルをしているようでした。
 しかしこのキット(シングルモーターライズ)が1960年代後半で200円という安さは、エルエスの良心ともいうべきでしょうか。当時の子供達はある意味でとても恵まれていたと言えるかもしれないですね。
 

 静岡に現れたゼンマイ怪獣軍団を迎え撃つ我らがSF戦車軍団!
 左から右回りにビッグコマンダー(LS)、キングモグラス(ミドリ)、BIG−Cの兄貴分スペース2号(LS)、キングシャーク(ニチモ)、マグマライザー(フジミ)、(ダメージディスプレイのT−34をおいて)ジグラート(イマイ)の精鋭達。
 

 冷戦時代にソビエトが作った海底戦車という設定でテルスター中尉がディティールアップしたキングシャーク。同じくテルスター中尉が作った、ベトナム戦争の時期にアメリカが開発したという設定のジグラート。そしてそれらと一緒にセットされたBIG−C。静岡ホビーショーの一角で、ここだけが別世界の様相を呈するギミック道楽さんのブースです。これは将に昭和40年代のSFプラモデル黄金期を髣髴させるシーンですが、これは決して過去を懐かしむだけのオマージュではありません。
 ここにあるのは森高さんをはじめとするギミック道楽さんのメンバーや、テルスター中尉などの製作者がリアルタイムで具現化している、21世紀のSFプラモデルシーンです。
 



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