ようこそ、プラモデルの王国へ!

プラモデルの王国のご案内 


 


 の度はプラモデルの王国へようこそおいで下さいました。ここで当ホームページの趣旨を簡単にご説明させて下さい。
 我国初の国産プラモデルが発売されてから40年が経ちました。それは大まかに分類

     1.生みの苦しみと模索の黎明期
     2.可能性追求の発展期
     3.文化として定着した開花期
     4.市場が成熟した安定期

 の四つの時代に分けられるような気がします。それぞれの具体的な時期とその代表的なキットについては王国の各コーナーの中で別途語り、また追って充実させていきたいと思います。もちろんこれはあくまでも私個人の主観ですが、いみじくもこの40年間でホビーとしての起承転結の一旦のサイクルを経験したのではないかと考えます。
 今私が想いを巡らすのは最後の安定期についてです。技術的には世界最高水準のプラモデルを作り出すまでになった我国のプラモデルと、最もその恩恵にあずかる我々ですが,私はその安定期の中で、常にかすかな淋しさに包まれています。それは発展期と開花期を経験した者が知るあの「熱病のような楽しさ」の喪失のような気がします。

 現在、ホビーとしてのプラモデルの主流は精密スケールモデルでしょう。それを否定するつもりは少しもありません。オモチャ然とした初期の和製プラモがここまで到達できたのはとても喜ばしい事です。しかしプラモデルの楽しさとはそれだけではないはずです。そしてそのスケールモデルにしてもハイレベル志向の風潮が一人歩きし、初心者、なかんずく小学生のような入門者にとって決して敷居の低いジャンルではありません。プラモ開花期以前に初めてプラモデルと言うホビーに接した子供達は、「易しくバラエティ豊かなプラモデルの扉」を開ける事が出来たという点において今以上に恵まれていたと言えるのではないでしょうか。それは単に平易な入門口があっただけではなく、自分の興味に合ったジャンルに出会い、それをきっかけに更に別なジャンルの扉を開けるというような、プラモデルの国の心踊る旅でありました。子供の入門者という立場で見た時、逆に現在のプラモデルと言う趣味の世界は決して豊かだとは映らないかもしれません。

 それはしかし子供の入門者だけの問題ではありません。今のプラモデルという趣味が極少数のジャンルに収束してしまったという事は、他ならぬプラモデルファンの当事者である私達が、次々に何かを忘れていってしまった事に他ならないからです。

 しかし今までの40年という時間に築かれたプラモデルの歴史と、それに関わった人々の喜びあるいは楽しさは揺るぎ無い事実です。それはあたかも一つの王国のようでさえあります。今一度ここでその広大なプラモデル王国の楽しさを再認識してもらう為に、ここにこのページを開設致しました。

 とはいえ、これからプラモデルに接しようとする年齢の子供達がこのサイトにアクセスする事は無いでしょうし、況やここで子供達に大きな動機付けをする等という幻想を語るつもりもありません。もしこのサイトに出来る事があるとすれば、それは他ならぬ「かつての少年達」である方々に、あのあくまでも自由で、奔放で、夢と驚きに満ちたプラモデルの世界を思い返し、あるいは新鮮に追体験をしてもらう事、そしてできればもう一度日々の生活の中にあのオアシスの時間を取りこんでもらう事でしょうか。もしそうして再びプラモデルの王国が少しづつ活気を取り戻し、夫々の楽しみ方を広げていくのであれば、結果的にそれは、新たにこの王国に住む事になる住人達・・・・即ちこれからプラモデルに接する子供達にとっての、広大なプラモデル世界の新天地の再開拓と整備になると思います。

 手前味噌になりますが、毎日テレビゲームに興じる小学校一年の息子が「パパ、僕この間買ってもらったリモコンの戦車の事を考えると遊びたくて胸がドキドキしちゃうよ。」と言いました。それまであまりプラモデルに興味を示さないのか?と思い、また今時の子供はプラモデルよりテレビゲームが好きなんだな、などとあきらめの境地であった私は、そうではなくただ子供のレベルで呼び水となる興味のきっかけが無いだけなのだと知りました。今でもないわけではないリモコン戦車の楽しさを伝えきれていなかったのは、他ならぬ私自身ではなかったのか、と。
 また、小学校五年生の娘は引越しの折りに「お父さんの持ってるプラモデルの中に、泳ぐお魚のプラモデルなんてあるんだ!もっと他に楽しいプラモないの?」とも言いました。そして見つけた棺桶から立ち上がる黄金バットや、鬼太郎の自動車や、犬に追いかけられるオバQの(いずれも数年前に発売された)プラモデルたち。そう、今でも細々とながら手に入るこれらの遊び心溢れたキットに接するきっかけである「たまには模型屋さんに行ってみよう!」という思いを伝えられなかったのは何故なんだろう?と。それは例えば大人である私達がかつてそういった楽しさを享受しながら、今では模型屋へ行く事なんてのは大人に教えられるんじゃなくて仲間内で自然と知るものなんだ、という他人任せの思いの下に、敢えてあの楽しさを伝えようとしなかったからに他ならないのではないでしょうか。

 時代は変わっています。売れ筋のプラモデルが変わっている以上、子供達が一般的なプラモデル屋さんに抱いているイメージもまた変わっているでしょう。それは既にあの懐かしい「オモチャ箱をひっくり返したような際限無い楽しさ。」であった我々の時代のそれではなく、難しいプラモデルが山積し、その中に僅かにミニ四駆のような動くプラモデルが紛れ込んでいるお店、といった印象しかないのかもしれません。

 そんな中で、私は別に「ファミコンに押されて子供市場として低迷するプラモデルの世界に喝を入れよう。」等と思うつもりはありません。価値観の多様化はそれはそれで素晴らしい事だと思うからです。しかし本来プラモデルという遊びと趣味の世界はもっと広くて深いのだという喜びと楽しみ方を、かつてそれを経験した人達が今以上に伝える事は大切なような気がするのです。あるいはそのような義務の香りのする論点以上に、私達自身がもう一度あの楽しさを思い出す事はそれだけで素晴らしい事だと思います。

 このホームページは以上のような理由から、過去に発売された様々なジャンルのプラモデルを紹介してその魅力を伝えるコーナーと、動くプラモデルの紹介・改造のコーナーからなっています。そしてその構成は、「プラモデルの王国」という仮想の国の体裁を取っています。王国憲章など、コーナーの色付けは時に芝居がかって感じられるかもしれませんが、それは今現在の実生活から一歩離れ、ここで紹介する懐かしいプラモデルに感情移入をしやすくするための「遊び心」という演出装置だと思って下されば幸いです。長い前置きを最後までお読み下さいまして、有難うございました。

 それではどうぞ王国の住人となる旅へ御出発下さい。 


       1998年12月28日
        ねこにいプロダクツ代表 : たかみ けいいちろう 


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