ニットー

ラセンタンク デルタ・2号



 以前「プラモデルの王国掲示板」で話題になった日東科学のラセンタンク「デルタ・2号」です。往年のニットーの最大の特徴である長岡秀星(当時は長岡秀三)のハイパーなイメージ溢れるイラストで視覚化された素晴らしいボックスアートです。スパイラルな水飛沫を上げて濡れた路面・・・というよりこのキットの特徴からすれば多分「浅い水面」を疾走するSFタンクのスピード感は、当時の他のSFプラモの追随を許しません。

 このキットのオーナーは、模型雑誌で古いプラモデルをビビッドに語る事で知られる山本直樹さんです。氏はMARK1誌「パラレルメカノロジー」やホビージャパン誌「U.W.W」でウルトラメカ開発史を、またウェーブのプラモデル「66式メーサー殺獣砲車」ではその開発史を鮮やかに綴った事でも知られています。そんな山本氏がプラモお宝自慢や絶版キットおちゃらけ紹介ではなく、夢と冒険と科学に憧れた少年の心で語らんと構想を練っていた、その名も「SF戦車」という題名の雑誌企画(注:追加補足参照)の為に準備されていた写真がこれです。氏はプラモデルの王国掲示板の話題を知って、早速その写真をカラーコピーして送って下さいました。ご協力ありがとうございました!

 キット→写真→カラーコピー→郵送→スキャナー→bmpからj−pegへのデータ変換→画像調整そして縮小という過程を経たイラストはかなり色彩がプアに劣化しているとはいえ、その迫力とシャープさは十分に伝わるかと思います。みなさんどうぞじっくりと堪能してください。


画像提供:山本直樹氏

 <補足説明> 雑誌企画『SF戦車』と山本氏について。

 雑誌企画「SF戦車」とは、1991年〜1992年にかけて久保書店発行のオタク雑誌(山本氏からの手紙のママ(^_^;))『DO−PE』『コミックDO−PE』に山本氏が不定期連載していたB級プラモ、チーププラモの再評価記事『懐プラ座』の第4回目として準備していたもので、同誌消滅によりついに日の目を見なかった幻の企画です。

 因みに懐プラ座の第1回目は『秘密基地』、第2回目は『内部構造プラモ』、第3回目は『潜水艦』でした。この題名からも山本氏の記事がプラモデルの王国の語り口と如何にそのベクトルを同じくするかが御分かりいただけるでしょう。王国が最も期待する”プラモデルを文化として語れるライター”の一人、それが山本直樹さんです。(漫画家にも同姓同名の方がいますが別人です。)


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