ディティール資料

原子力潜水艦 シービュー号 (1)




 皆さんこんにちは、けんたです。私自身はHPを所有していないのですが、ねこにいさんからのご指名で、間借りする事になりました。

 今回紹介するのは、お馴染み「海底科学作戦 原子力潜水艦シービュー号」の大型模型です。勿論、撮影に使用されたオリジナル・モデルです。写真は私(けんた)がが97年に米国で撮影した物です。職業柄、この手の物はいろいろあるのですが、とりあえず、権利者の許諾を得たものから、少しずつ公開いたします。その辺りの事情は本文をご覧戴くとして、まずは同番組をご存じ無い、もしくはうろ覚えの方に簡単な番組解説を致しましょう。



『海底科学作戦 原子力潜水艦シービュー号』 解説     by けんた

  「海底科学作戦 原子力潜水艦シービュー号」は、『宇宙家族ロビンソン』や『タイムトンネル』『巨人の惑星』などのテレビシリーズを制作したプロデューサー、アーウィン・アレンが初めて制作したテレビシリーズで、放送は米国の ABCテレビ系列によって、1964年から1968年にかけて、全4シーズン、110話が制作・放映された。この作品、彼(アレン)が1961年に製作・監督した映画「地球の危機」のテレビシリーズ化である。
 日本では1964年12月14日から(12月4日という資料もあり)NET(現・テレビ朝日)でモノクロの第1シーズン(全32本)が放映され、その後、カラーになった第2シーズンから最終第4シーズンまでは、東京12チャンネル(現・テレビ東京)系で放映されている。

  以下、余談。
  本シリーズの日本語版最大の特徴は、本編にないナレーションが随時挿入されているという点だ。これから起ころうとしていること、キャラクターの考えている事を、全て説明するナレーションは今観るととても楽しい。
 さらに余談だが、ナレーションを担当したのは浦野光である。彼は『ウルトラマン』で中盤よりナレーションを担当(それまでは石坂浩二)している軽快で明るい持ち味の人である。


 トップ写真の解説:
 レストア終了後のシービュー号。テレビ版なので、全部観測窓は1段である。



 
シービュー号ミニチュア18フィートモデル 解説

  シービュー号のミニチュアは同番組のLBアボット特撮監督率いる、20世紀フォックス映画、美術部のスタッフによって製作された。全部で4,8,18フィートの三種類あり、今回紹介するのは、その中でも最大の 18フィート(約5.4メートル)の物である。
  自走機能はないため、撮影では浅いプールに台車を入れ、それにワイヤーをつけ、トラックで引っ張っていた。画面に登場する浮上航行シーンは、ほとんどすべてが、この18フィートミニチュアである。
 ちなみに色はグレーとネービーブルーの混色で、船体下部は白。他の色に見えるのは水の色が映りこんでいるためである。
 このミニチュアは、かつて雑誌「モデルアート」でも紹介されていたが、その後、持ち主が手放し、96年に行われたハリウッドのオークションに出品され、それをハリウッドのレストラン、プラネット・ハリウッドが落札したのである。今回の巨大ミニチュアは、その落札されたミニチュアが痛みがひどかったため、レストアをすることになり、そのレストア過程の写真である。

 この18フィートモデルは、そのほとんどが鉄板の叩き出しと溶接で、年月による腐食損傷を防ぐため、内側にグラスファイバーをFRPで貼ってある。
 レストアを行ったのはミニチュア・ビルダーのルー・ズタバン氏。同氏は映画のミニチュアを数多く手がけており、主な参加作品には「ターミネーター2」「アビス」「バットマン・リターンズ」「スターシップ・トゥルーパーズ」などがある。
 尚、97年暮れにロサンジェルスのロディオドライブにあるレストラン、プラネット・ハリウッドに展示されていたが、99年同レストランの閉店に伴い、オークションに売りに出された。最低価格5千ドルから始まったこのシービューを誰が落札したのかは不明である。
(写真協力 LUE ZUTABAN ,GREGORY B.JEIN)





 艦首下部、フライングサブの格納庫のシャッターを開いた状態。シャッターは可動式で、内部に巻き取られている。左右に見える丸い物はライト。
 

 艦をひっくり返したところ。中央の四角い穴は潜水球(ダイビング・ベル)の投下口。


 艦後尾下部のジェット水流口(設定)にあるラダー(舵)。
 

 テール・フィン
 先端にはライトが仕込まれている。


 セイル部分
 ディティール(扉の位置と数)は左右同じ。

 


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