オータキ 1/35 ハンティングタイガー CHAPTER2 ドレスアップ編 




 キット紹介1ページ目では主にモンスターマシンとしての側面を強調したが、20年数年ぶりに製作に着手したドイツ戦車という事で、オヤヂ博士はディスプレイ面での作業にも力を入れている。但し激烈なバトルを想定している為、戦闘室上面の釣り上げ用シャックルは本来の逆U字型に作り変えずにキットオリジナルの中抜けしていないプレート状のままである。また、姉妹キットの「キングタイガー」と共通になっている車体長の調整も行っていないなど、現在のディスプレイ派のディティールアップレベルまでは至っていない。しかし基本形状が素晴らしいこのキットは素組みでも充分にモデリングを楽しめる好キットである。
 




 ドレスアップのメイン作業は、やはり4〜5千回に及ぶツィンメリットコーティングの再現であった。できるだけ重量を稼ぎ、またバトルのガチンコに耐えうるように、コーティング素材はポリパテではなくタミヤのエポキシパテを使用している。また、贔屓の模型店にタミヤのコーティングブレードの在庫が無く小さいドライバーで果てしなくツンツンしなければならなかった為、実車の「スジだけが盛り上がっている」感じではなく、如何にもドライバーで「スジをめり込ませた」感じに仕上がっているが、四半世紀前の模型雑誌の作例も、まあこんな出来だったので、当時を偲ぶオマージュとしては面白いかもしれない。
 戦闘室側面の予備キャタピラは連結ヒンジ部分をピンバイスで開口してあるが、どうもこの部分は「開けないと目立つが、開けても気付いてもらえない」という、やっかいな部分であるらしい。
 

 機銃の銃口開けに固執するオヤヂ博士にとっては、時間に追われながらも車載機銃の開口はオミット出来ない作業であった。但しこの機銃は激しいバトルで折損紛失し、辛くもオフ会参加者に拾ってもらった幸運なパーツである。

 同じく「ガチンコバトル」時に、互いの車体と砲身でがっぷり四つになった時に受けた砲身上の傷跡。食い付きの良いラッカー系塗料までこそがれる重量級バトルの激しさを、無言のうちに物語っている。

 重量間溢れるリアビュー。パンサー、タイガーII系のこの逆ハングしたメカニカルな後部は、造型的には非常に魅力的な部分である。
 OVM類もキットオリジナルのパーツをそのまま使用しているが、ツィンメリットコーティング部分にかかる取り付け部品は、コーティング終了後あらためてピンバイスとマイクロドライバーで取り付け穴を空けて瞬着でがっちりと固定してある為、スコップ1本ですら脱落の心配は皆無である。
 

 車体後部のクローズアップ。写真ではちょっと見にくいかもしれないが、排気管開口部には縦に一本異物侵入防止用バーがきちんとモールドされている。当時の作例ではここを伸ばしランナーで追加工作するのがトレンドだったが、当時からこの部分をしっかりと再現してあるこのキットは、オータキの真剣さが伺われて驚嘆に値する。

 足回りがダイキャストというセールスポイントは、換言すれば自ずとハードな走行を強いられる事でもあり、強度とディティール再現の絶妙な落し所がこのキットの魅力でもある。

 左右の排気管に挟まれた、実車には無い円盤状の部品はリモコン用のコネクターパーツである。リモコンコードは前述のように3線式であるがコネクター自身は4ピンである為、超信地旋廻実現を意図した完全2チャンネル化は非常にスムーズに作業を進める事が出来た。
 

 見よこの勇姿!
 キャタピラの接地部分には滑り止めの”ハの字型”モールドが入っているが、今回はバトルを考慮して摩擦係数を上げる為に合成ゴム系接着剤を塗布したのでモールドが甘くなっているのは致し方の無い所である。

 また、動きをスムーズにする為にキャタピラ間のクリアランスが若干多めに取られている点はやや実感を損ねる所であるが、実車同様2列のセンターガイドが千鳥足配置の外部転輪と内部転輪其々の中央部分をスムーズに通る優れモノでもある。確実で強靭なこの足回りの持つキャパシティは、今回の無制限バトルで遺憾無く発揮された。
 

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