ミドリ ジュニアモグラス CHAPTER2 ギミック組込編 





 クランクロッドはギアードモーターの最終ギアに穴をあけて差し込み、白く見えるプラ板でカバーされている。中央部のクラウンギアはカッター回転の為のもの。サビが浮いているが、このギアはオリジナルのジュニアモグラスのドリル回転用ギアの流用である。そんな所にもオヤヂ博士のこだわりが感じられる。また、シャフト保持部分には全てミニ四駆から流用したハトメが使用されている。
 オヤヂ博士の直感通り、ドリルの延長軸を自らの中心部を貫通させる事によりギアードマイクロモーターユニットは見事車体前部の空間に納まった。そこから伸びたクランクロッドは車体中央部にセットされたスライドバーに連結され、そこでミサイルの仰角変更用のパワーとして供給される。
 これにより「最後部のチューンドFA−130モーターによる最前部のドリル駆動」、「車体前部空間にセッティングされたマイクロモーターによる車体後部のミサイル仰角コントロール」というパワートレインの交差式レイアウトが誕生した。
 余裕度の全く無い空間に展開するレイアウトとしては一見常識を外れた動力伝達デザインであるが、この機械要素の空間占位設計によって初めて、超絶4CH魔改造が実現したのである。
 

 この状態で足回りを仮組すると、試験走行が可能である。

 主用パーツ全景。ドリル軸は車体最前部の軸穴とキャノピー直前の後部保持板で支えられるが、その長大なスパンが、高速回転するシャフトを安定してホールドする役目を果たす。また、ドリルの先端まで届く最大限に突出したシャフト前半部は、ドリルの回転軸中心出しを助け、ブレを最小限に押える事に寄与している。
 この時点で主用部品はほぼ仮組が出来る状態になっている一方、ドリルのスパイラルのオリジナル造型は幾何学的には全くガタガタの出来で、パテ埋めヤスリ掛けによるスパイラル調整に約一ヶ月を要する事となる。
 
       
 ミサイルの仰角コントロールの様子。左はクランクロッドが伸びきって”逆コの字型”のスライドバーを最後端に押している。この時写真ではモーターの真上に位置するミサイルランチャー基部シャフトから出ている0.3mmピアノ線で作ったピンを後に倒しているが、これでミサイルは水平位置となる。
 右はクランクロッドが引ききってスライドバーを最大前進位置に動かしている写真。この時スライドバーの先端はランチャー軸のピンを前に倒し、それによりミサイルは最大仰角を取っている。
 


 後部隔壁はまだモーター取り付け穴しか開口していないが、この後この隔壁両側にギミック用コネクターが取り付けられる。
 
 走行用ギアを車体にセッティングした所。ドリル駆動用モーターを外してある為、内部の様子が見える。走行用ギアボックスとドリル駆動用のギアレイアウトとの間に全くクリアランスがないタイトな収容状態である事が分るショット。
 更に左モーターのすぐ上の壁面からランチャー基部シャフトが覗いているのが分るだろうか?前述したランチャー可動機構はこのモーターと壁面の僅か数ミリの空間で機能する事となる。
 撮影時点は上のランチャー駆動説明の写真撮影時期とは前後しており、まだ内部結線は行われていない状態である。

 結線まで考慮したユニットのモジュール化の成果。コネクターはダイオード用0.5mm径のものを流用している。

 アリイの1/48リモコン戦車の走行用ギアボックスを流用したユニット。車体との干渉を防ぐ為に数ヶ所の切削を行っている。このサイズの改造では、4CHで合計8本のリモコンコードの取り廻しがネックとなってくる。その為このユニットではコネクター部分まで一体化して車体側との結線上の制約から独立させ、このユニット単体での取り外し、組み付けを可能にしている。これはその後の車体側結線作業や完成後のメンテナンスを各段に楽にしている。
 流用ギアボックスの出力軸径はジュニアモグラスオリジナルの起動輪のシャフト径より僅かに小さく、そのままでは空回りするのでシャフトにアルミホイルを巻きつけて瞬着で固めてシャフト径をミクロン単位で調整し、起動輪をはめ込んだ後で更に瞬着で固定している。オヤヂ博士の編み出したこの方法は正確なセンター出しと直径合わせが楽に行え、マイクロモーターで2mmシャフト用ピニオンを駆動する場合など、広範囲に応用できる。
 
      
 作業工程としては上記写真とはまた前後してしまうが、足回りをセンターガイド付きキャタピラ対応とする為に各ホイールを中心部でカットする。ギアボックスのみでなくホイール回りもアリイのキットから流用すれば簡単であるが、極力オリジナルのディティールを生かす為のこだわりである。
 左はレザーソーでカットした様子。右はカット後ドーナッツ状に切り離されたホイール部分の内周にピッタリとフィットするように加工したプラ板をはめ込んで接着した所。この後製図用サークルテンプレートなどを使って正確にセンター出しをした後にプラ板に穴をあけ、再度ペアとなる各ホイールを接着して完成となる。
 作業に着手するまで気の重かった博士であるが、いざ着手してみると結構サクサクと作業の進んだ工程であった。
 これによりオリジナルでは単純なタル型ホイールであったものが機能強化され、走行時のキャタピラの脱落は皆無となった。ミドリのSF戦車を2CHリモコン化するにあたっては必須作業と言える。
 

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