フジミ模型株式会社
  
≪特報≫ 海底軍艦 轟天號 フジミより発進!


 

キットレビュー2

 さて、早々に入手した轟天号が完成致しました。今回はページの都合上、完成直前迄の製作過程の公開です。完成品の全体像は次回となりますが、少々お待ち下さい。
 また、一日も早く御紹介したかった為素組作品になってしまいましたが、今後然るべき実力派モデラーの方のシーウェイモデルやディオラマ作品を随時紹介させて頂く予定になっておりますので、ご期待下さい。

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 このキットは微小なパーツが少なく無いが、中でも最も小さいパーツがこの艦橋に付く探照灯である。肝心のパーツがピンボケで申し訳ないが、シャープペンの芯の上方に問題のパーツ”C10”が、その下に”C10”の影が写っている。直径は1mmを僅かに上回る程度ながら、ルーペを使うと探照灯本体の下半分をぐるっと囲むように支持架がきちんとモールドされているのが分る!
 日頃AFVを中心に作っている筆者にとってはカルチャーショックにも似た驚きのモールディングである。

 次はパーツとしての注目度の高い電子砲塔部分。1つの砲塔は、砲塔本体と砲身(三連装)とツノが2つの合計4パーツからなっている。
 砲身は先のキットレビュー1で言及したように通常パーツと透明パーツの選択式で、今回は透明パーツの質感を実感して頂く為に後者を使っており、写真では塗装を完了している。
 ライティングを調整してあるので、砲身中央部の透明部分で光が屈折して輝いているのがおわかりだろうか?
 ここで注意だが、この部品は非常にタイトな設計がしてあり、この後で砲塔本体に三連装砲身をはめ込もうとした時に塗装皮膜の厚みが増えた分だけ隙間がつまり(といってもせいぜいコンマ1ミリ程度?)、少々の力を加えてもセット出来なくなってしまったのである。結果、何とかはめ込めたものが1つ、砲塔旋廻軸を半ば折ってしまったものが1つ、ツノを折ってしまったものが1つ、砲身を折ってしまい、その結果砲身一本が何処かに飛んで行って無くなってしまったものが1つという散々な結果となってしまった。(ioi)
 その為砲身部品1つは、別な「轟天号」から借用したが、それは事前に砲身の付根を3本ともカッターで薄く削いでから塗装した為にスムーズにセットすることが出来た。
 

 難儀した砲塔装着を終えた艦橋構造物付近のブロック。第一、第四砲塔は甲板部品の裏側に比較的長めに砲塔旋廻軸が飛び出している為、ライターでちょちょいと炙って焼き止めをしたので旋廻させることが出来る。一方第二、第三砲塔は取りつけ穴が貫通していない上に軸が長めなので、そのままでは穴の底まで差し込んでも砲塔自体が浮き上がってしまう。第二、第三砲塔は取りつけ前に中心軸の不要な部分を切ってしまう事。
 また、この作業中も砲塔のツノを折らないように注意が必要である。十円玉の大きさとの比較で分るように、砲塔自体が非常に小さくて指で摘むのが難しく、、砲塔を差し込む時に不用意に力を入れるとツノが折れてしまう。(なぜ分るの?)

 次は艦首部分の潜航舵と下部カッターの取り付けブロック。既に潜舵とカッターは塗装を終え組みつけ済みである。
 潜航舵はインストの指示通りあずきいろ(艦底色)であるが、カッターはインストではシルバーとなっているものの実際は金色である。他ならぬキットのボックスサイドにはドックの中の轟天号のカラースチールが載っているが、この写真でも僅かにカッター部分が覗いており、色は金色である事が確認出来ると思う。

 潜航舵を挟み込んで取りつける部品(C20)を接着する時に潜航舵まで接着しないように要注意。ややぐらつきはあるが、2弾式にノッチが効いてスライドする感じは、思わずニヤリとするぐらい楽しい。

 今回轟天号マニアの中でも最も注目度の高いと思われるパーツ「ドリル」である。
 轟天号のドリルは「三重螺旋」…つまりドリル円錐を任意の場所で輪切りにして断面を見るとネジヤマが3つあるような構造に特徴があると言われているが、このドリルは1本のネジヤマである。
 しかしこれは私見だが、実はマニアの間で言われている三重螺旋は撮影用の「1mサイズミニチュア」だけで、ドックシーンに使われた「2mサイズミニチュア」はどうも二重螺旋のようにも思われるが如何だろうか?そういった点ではこのキットのドリルも2mサイズミニチュアの雰囲気は充分に再現していると思うのだが…。
 インストの指定ではシルバー一色の指示となっているドリルだが、作例では撮影用ミニチュアを参考にして、円錐本体は黒、螺旋部分をシルバーに塗り分けている。
 製作はまずドリル左右を接着して精密ヤスリとペーパーで形を整えて先端の三つ又衝角を接着し、ラッカー系シルバーを厚めにスプレーする。その後螺旋部分全体をエナメル系のフラットブラックで塗装し、8割方乾燥した所でエナメル用シンナーを含ませた布で螺旋の”山”の部分の黒だけを拭き取って下地のシルバーを出している。所謂「墨入れ」の技法である。プラモデルに限った事では無いがこういった作業はおしなべて「丁寧に作らないと決して良いものは出来ないが、丁寧に作ったからといって必ず良いものが出来るとは限らない」というやっかいなものだが、このドリルの塗装に限っては、丁寧な作業は必ずや素晴らしい結果を生み出すであろう事を、先行作業者として断言出来る。是非トライして欲しい!
 

 塗装を完了して最終組立てを待つばかりの主要ブロック群。実はこの時塗装を終了した噴射孔部品が箱の隅に隠れていて筆者が気が付かなかった為、集合写真に写っていない。(ごめんなさい)
 因みにその噴射孔部品は真後ろから見て4基の噴射孔が
 □:上下平行に2つずつ
 ◇:十文字の菱形配置
という、位相が45度回転した状態で2つのパターンのパーツが付いており、更に其々がフルハル用完全タイプとシーウェイ用ハーフタイプの合計4パターンの選択式となっている。
 実は”□型”は小松崎茂氏の設定デザインの配置であり、”◇型”は実際の撮影用モデルの配置である。
 前者は水上走行時に下半分の2基が完全に水没するのに比べ、後者は全没するのは1基だけで、1基は完全に水上に露出するのはいいとしても、残る2基も中途半端に水面上に顔を出している。推進効率という点ではこの2基が半分だけ水面上に顔を出しているというのは不自然な感じがするので、今回の作例では”□型”配置の小松崎氏設定版を再現している。
 また、水平尾翼にあたる左右の三角翼は、インストでは上面軍艦色&下面:艦底色となっているが、実際には上面・下面共に艦底色1色である。
 


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